あなたの周りに、やたらと「自分のほうが上だ」とアピールしてくる人はいませんか?
学歴や収入、経験や交友関係まで持ち出して「だから自分のほうが優れている」と主張する――。そんな人を前にすると、聞いている側は嫌な気持ちになるものです。
けれども、その裏に隠れているのは意外にも「強さ」ではなく「恐れ」かもしれません。
目次
マウントとは何か?その心理的背景
「マウントを取る」とは、相手より優位に立とうとする態度や言動を指します。
たとえば「自分はもっと稼いでいる」「自分はもっと経験豊富だ」といった発言が典型です。
心理学的には、これは「自己防衛」の一種です。
人は誰しも自分の価値を認められたいという欲求を持っていますが、その気持ちが強すぎると「他人より上でいなければ安心できない」という思考に変わります。
実際、自信が十分にある人は他人と比較しなくても心の安定を保てます。逆に自信のない人ほど比較に頼り、優位性を示そうとするのです。
自信のなさが「強がり」に変わる
マウントを取る人ほど、自分に自信がありません。
私の知人の中にも、ことあるごとに「自分はこういう成功をした」「こんな人脈がある」と語る人がいました。
最初は堂々とした人だと思っていましたが、ある時ふと本音を漏らしたのです。
「もし誰からも評価されなくなったら、自分には何も残らない気がする」――。
この言葉を聞いたとき、私は強がりの裏にある不安の大きさを感じました。
彼にとって自慢は自分を大きく見せるためではなく、不安を覆い隠すための防波堤だったのです。
弱い自分を知られたくない「特定の相手」
面白いのは、マウントを取る相手を選んでいるという点です。
誰にでも同じ態度を取るのではなく、特に「弱さを知られたくない」と感じる相手に対して強がるのです。
たとえば、私が以前経験したケースでは、先輩が私に対してだけ知識を誇示してきました。
後から聞くと「後輩に追い抜かれるのが怖かった」とのこと。
つまり、マウントを取られるということは、その人にとって「自分を脅かす存在」として認識されているという一面もあります。
相手が必死になるほど、実は「恐れている」証拠なのです。
「取られる恐怖」が行動を支配する
マウント行為の根底には「自分が下に見られるのではないか」という恐れがあります。
この恐れはしばしば、相手を貶めたり自分を誇張したりする行動につながります。
いわば“先制攻撃”です。
攻撃される前に自分の立場を強く示すことで、「下に落とされるリスク」を避けたいという心理が働いているのです。
しかし皮肉にも、この行為は周囲から「必死だな」「余裕がない」と見られやすく、信頼や尊敬を得るどころか逆効果になることも少なくありません。
自信があれば比較は必要ない
本当に自信のある人は、比較を持ち出しません。
たとえば、尊敬できる上司や魅力的な人ほど「相手を下に見る」のではなく「相手の良さを引き出そう」とします。
彼らは自分の価値を揺るがないものとして感じているため、他人を踏み台にする必要がないのです。
むしろ「自分にはないものを持っている」と素直に認め、相手を尊重できます。
その違いこそが、「強さの仮面」に頼る人と「本当の強さ」を持つ人の分かれ道です。
マウントを取られたときの対処法
では、自分がマウントを取られたときはどうすればよいのでしょうか。
最も大切なのは「相手の裏にある恐れを理解する」ことです。
「この人は自信がないから必死になっているんだ」と思えれば、受け止め方が変わります。
私自身、以前はマウントを取られるたびに腹が立っていましたが、「弱さを隠そうとしている」と気づいてからは冷静に流せるようになりました。
相手の土俵に乗らず、自分の心を守ることが最優先です。
マウントを取る人との距離感
人間関係においては、距離感の取り方も重要です。
マウントを繰り返す人と無理に仲良くしようとすれば、こちらが疲れてしまいます。
必要な場面では表面的に受け流し、深入りしないのが賢明です。
仕事上の関係であれば「そうなんですね」と一言受け止めるだけでも十分。
承認欲求を満たしてあげることで相手の攻撃性が和らぐ場合もありますが、あくまで自分をすり減らさない範囲で対応することが大切です。
まとめ
マウントを取る人の本質は「自分が取られる恐怖」を抱えていることにあります。
強く見せるのは弱さを隠すためであり、本当に自信があれば比較は必要ありません。
相手の心理を理解すれば、無駄に振り回されることも少なくなるでしょう。
そして「自分は比べられなくても揺るがない」と思える心こそが、本当の強さにつながります。
